小説

有川ひろ 恋愛小説おすすめ3選|心にそっと寄り添う“やさしい愛”の物語たち

マコト

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

恋愛小説と聞くと、甘すぎたり、現実離れしていたり。
そんなイメージを持っている人にこそ、読んでほしい物語があります。
有川ひろさんが描く恋愛小説は、どれもリアルで、あたたかくて、
読むたびに「こんな出会いがあったらいいな」と、そっと心が潤うものばかり。

この記事では、有川ひろさんの数ある恋愛小説の中から、
特におすすめしたい3作品を厳選してご紹介します。
日々にちょっと疲れたとき、そっと寄り添ってくれる一冊を探してみませんか?

📚恋愛小説おすすめ3選

『阪急電車』

あらすじ

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。
(※文庫本の裏表紙より引用)

推しポイント

①ローカル線のわずか15分が“人生の転機”になるという奇跡一話一話が心に響く完成度

宝塚駅〜西宮北口駅を走るたった数駅の間に、小さな出会いや別れ、前向きな決意が次々と描かれる。電車という“限られた空間と時間”を舞台に、濃密なドラマが展開されていく構成は見事の一言。

②一話ごとの“余韻”がじんわり沁みる連作短編

どの話もはずれなし。ふとした会話やすれ違いにこそ、人生の本音が宿っている。読後はまるで優しいスープを飲んだかのようなほっこり感が残る。「なんか良かったなあ」と心が満たされる。

③登場人物たちの“つながり”が静かに心を打つ

一話一話が独立していながらも、登場人物同士の意外な関係性や再登場にワクワクする。特に、翔子さんとミホの年の差を超えた友情など、“人と人の距離が縮まる瞬間”が丁寧に描かれていて感動的。

④有川作品の“優しさと強さ”が凝縮された一冊

恋のときめき、過去の傷、静かな決意──さまざまな感情が電車に乗り合わせるように描かれていて、有川さんらしい人間描写が光る。読後は必ず、「自分も誰かの隣に座って、こんな物語を紡いでみたい」と思える。

『植物図鑑』

あらすじ

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い子です――。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所を「狩り」する、風変わりな同棲生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。
(※文庫本の裏表紙より引用)

推しポイント

①「拾われ男子」と「OL」の恋愛が新鮮!

突拍子もない設定に思えるけれど、有川ひろらしいラブコメとして成立しているのがすごい。行き倒れのイケメンを拾うところから始まる物語は、甘くて照れくさくて、なのにどこかほっこりする。ありえない…と思いつつも、一気読みしてしまう吸引力がある。

②植物と料理の世界が奥深い!

道端の草=雑草という常識が覆される。ノビル、ツクシ、ドクダミ…実際にある植物が登場し、それを使った料理が登場人物たちの心をつないでいく。料理描写はリアルで、巻末のレシピも含めて“読むグルメ体験”としても楽しめる。

③イツキの魅力が反則レベル!

イケメン、家事万能、植物オタク、しかも性格までいい。そんな都合のいい男いる?って思うけど、いるんだよ、ここに!でもその完璧さの裏に「秘密」があることで、物語に切なさも加わっている。草食男子の理想形がここに。

恋と季節がゆるやかに重なる優しい時間

四季の移ろいとともに進む二人の関係性が、読者の心に静かに染み込んでくる。小さな日常の出来事が特別に見えてくるような、そんな優しい世界観に癒される。甘いだけじゃない、寂しさや不安も含んだ等身大の恋愛物語。

『レインツリーの国』

あらすじ

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。
(※文庫本の裏表紙より引用)

推しポイント

「図書館内乱」とのコラボ、恋愛と成長の物語

『図書館戦争』のスピンオフ作品でありながら、純粋な恋愛小説としても非常に魅力的。聴覚障害を持つ女性・ひとみと、彼女を支えながら心を通わせていく伸の姿が描かれています。健聴者と聴覚障害者が「本当の意味でわかり合うことは難しいかもしれない」という現実的な問題を描きながら、二人の心の距離を縮めていく過程に深く感動します。

②メールから始まる恋、意外性とリアルな感情

メールでのやり取りから始まる恋愛に疑問を感じながらも、その意外性に引き込まれ、一気に読んでしまう展開。ひとみとのやり取りを通じて、お互いの気持ちをどうにかして伝えようとする姿勢がリアルで感情移入しやすいです。

③「行けるとこまで行こうや」―恋愛だけでなく、すべてに通じる言葉

伸の言葉「行けるとこまで行こうや。だって二人のことやん。二人とも降りたくなったら降りたらええやん。」は、恋愛の枠を超えて、人生の選択や成長にも通じる大切なメッセージ。すべての困難に直面した時に、自分の気持ちに忠実に生きる勇気をもらえる言葉です。

④有川ひろの会話術―言葉にできない思念をうまく引き出す

有川さんの作品の特徴とも言える、登場人物たちの巧みな会話。自分では表現できないような心の中の葛藤や感情を、登場人物が言葉にしてくれるため、読者はその思念に共感し、共に成長していくような気持ちになります。

まとめ

有川ひろの恋愛小説には、心に響くメッセージとともに、どこか優しくて温かな感情が込められています。『阪急電車』のように、日常の中に潜む小さな奇跡を描きながら、登場人物たちの人間らしい葛藤に共感させられ、『植物図鑑』では一見奇想天外な設定が、実は読者の心に深く触れる恋愛を生み出します。そして『レインツリーの国』では、難聴というテーマを通して「行けるとこまで行こうや」といった真摯なメッセージが私たちに勇気を与えてくれます。

どれもが、単なる恋愛小説を超えて、人と人との絆や成長を描いており、読んだ後には心が温かくなり、時には自分を見つめ直すきっかけにもなります。恋愛だけでなく、人間としてどう生きるべきかを教えてくれる有川ひろの作品は、どの作品も読みごたえがあり、誰にでも刺さる普遍的な魅力を持っています。

ぜひ、あなたもこれらの作品を手に取り、心に響く愛の物語を体感してみてください。

ABOUT ME
大山 マコト
大山 マコト
30代の男です。 趣味の読書の感想を中心に徒然なるままにのんびり投稿していこうと思います。 【好きな分野】 歴史小説・伝記・ノンフィクション・青春小説・恋愛小説 【好きな著者】 東野圭吾、司馬遼太郎、齋藤孝、有川ひろ、池井戸潤。  最近は東野圭吾さんの未読の作品を刊行順に読むことを楽しんでいます。 2023年12月3日、東野圭吾作品全作読破。
記事URLをコピーしました